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2012年新人声優を振り返る

▼2012年新人声優トップと言ったら内田真礼さん(さんかれあ【散華礼弥】中二病でも恋がしたい【小鳥遊六花】など)になるだろう。個人的には赤崎千夏さん(キルミーベイベー【折部やすな】中二病でも恋がしたい【丹生谷森夏】)で決まりだが。新人らしい新人っていったら木戸衣吹(お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ【姫小路秋子】)さんになるかな。この三人を演技タイプ別に分けるなら内田真礼さんが真っ直ぐに正道を行くタイプなのに対して、赤崎さんと木戸さんはトリッキーで想像の斜め上を行くタイプといえるだろう。
▼木戸さんは、自分の演技解釈で想像した理想の演技を実践できるだけの演技力が伴ってないため、演技が微妙な感じになってしまったけど、それがおもしろく視聴者にもウケたという現状だろう。いい意味で型にはまった演技が出来ない。この人は演技解釈も非常におもしろいと思うので、実力が伴ったときを想像すると非常に楽しみな人材。将来に期待が持てる新人らしい新人だろう。まだ14歳で先は長いので事務所側は長い目で見て育てて欲しい。現状の中途半端な演技をあえて求めるなんてことをしてしまうと、最終的なカタチが間違いなく崩れるので、そのようにして潰すのは絶対に避けてほしいと思う。独特の演技解釈をするセンスは持っているし、それは視聴者に認められるものであると思うので、自分の理想とする演技を実践できるだけの演技力を磨いてほしい。ギャグ演技が想像を超えてくる貴重な人材。
▼赤崎千夏さんは演技力は一定水準に達している。だからこそ、あれだけモブで仕事をもらえるのだろう。この人のすごいところは演技の幅の広さだ。大抵の役をこなしてしまう演技の幅がこの人にはある。それでいて器用貧乏になっていない。キルミーベイベーのときの演技はこちらの想像を超えてくるものばかりで、それを実践できるだけの演技力が既に伴っていることからも、この人の新人離れした地力が窺える。次世代の演技派声優と呼ばれるようになれる人だと確信している。
▼さて、おそらく今年の新人トップであろう内田真礼さんだが、この人はヒロインを高水準の演技でやるヒロインオブヒロイン、正道をまっすぐに突き進んでいる。この人の演技もとても新人と思えないものがあるが、それもそのはず。現代、声優の門は物凄く狭い。アニメ作品のオーディションには数十人が参加する。しかもそのオーディションに参加するために事務所内でもオーディションがある。事務所がオーディションに送り込めるのは一人や二人、だが事務所は声優を数十人抱えている。その下には養成所もあり、そこでも競争は行われている。オーディションに参加するだけでも大変なことだし、その選び抜かれた人たちの中のオーディションで合格し役を掴み取らなければならない。とんでもない狭き門をくぐり抜けなければキャストに選ばれることはない。しかし、内田さんの場合はそれだけではない。彼女はヒロインタイプの声質をしている。作品のヒロインは厳選に厳選を重ねられる。ただでさえ高いハードルがさらに高くなる。新人を起用したいなど大人の事情を除外すれば、初めからある程度完成していなければ選ばれることは不可能だ。それを真っ直ぐに正道ともいえる道を突き進んできたのだから、あれだけの実力を備えているののも頷ける。声優の王道を真っ直ぐに進んできた天才。それが自分の彼女に持っている印象だ。ゆえに彼女は新人であるにも関わらずあれだけの力量があるのだろう。とはいえ、彼女の演技力は新人としてはやはり異様だ。ヒロインを淡々とこなし全くミスをしない。求められた答えを出し続けているような感じを受ける。彼女は天才だろうが、今の実力に見合う努力がどれだけ必要だったかを考えると敬服する他ない。
茅野愛衣さんが出てきたときにも同じように思ったが、近年の新人声優はあまりにもレベルが高すぎる。また来年も天才と思える人が出てくるのならば、それは楽しみではあるが出てきた新人たちが活躍し続けられる場の形成が追いついていないことが気がかりである。

 

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