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ソードアート・オンライン プログレッシブ2巻

高度に発展した技術は魔法と区別がつかない、という言葉は有名だ。

では、高度に発達したAI(人工知能)は人間とは変わらないのか。

プログレッシブ2巻ではそれを問うたが、それは既にユイの話でもう答えは出ていた。

キリトはNPCであろうと人間と変わりないと考えているし、そう接している。それはプログレッシブに至るまでの既刊13冊で描かれ続けていた。キリトはNPCといえど命はあるし、尊重されるべき人権もあるという答えを既にあらゆる場面で出している。それをメインテーマに置かれてもこちらとしては既に何度も見てきたことで、既視感が漂う。

どこの巻で言っていたか忘れてしまったが、SAO時代にNPCを囮にしてボスを討伐するか否かの会議が開催されキリトはそれに猛然と反対するというエピソードがあった。そのとき強硬に作戦を遂行しようとしたのが実はアスナだ。矛盾を生まないように今後も話を進めていくならば、キズメルを通してアスナのNPCに対する考え方が変わるような事件が起こることが考えられる。そのときがアスナとキリトとの決別のときではないかと想像しているが、もはやそういう事前の予測が役に立つ状況なのかがわからない。川原礫さんは後書きで出来る限り矛盾は生まないようにすると書いているが、現時点で既に矛盾は生まれまくっている。だから次の巻で早くも、この世界はパラレルワールドです、と言い切る可能性すらあるのではないかと思っている。いっそのこと75層で茅場と決着のつかない100層まで戦うパラレルワールドを描けばおもしろいんじゃないかと思うが、それは許されないんだろうか。

プログレッシブは年一のペースで発行しているが、これでは75層までたどり着くのに最低でも30年以上かかる。SAOとアクセルワールドが終わってプログレッシブにかかりきりになれたとしても、残り70層以上ある物語を完結させられるとは今はとても思えない。すべての層を描くには膨大なアイディアが必要だ。この巻の後半部分は駆け足であらすじ的に書かれたが、遠からずそうなるときがくるだろう。駆け足であらすじだけを書くのでは、あまりにもおもしろくない。主要エピソードを短編でやるような形であれば読む方も満足できるし、川原さんも書きたいことが書けて満足するのではないか。今のところ書きたいことと書くべきところが一致しておらず、なにをどういう風に展開するか迷っているように感じられる。そこの落とし所が見つかるまではプログレッシブは矛盾を生むだけの物語になってしまうかもしれない。