神のみぞ知るセカイ

マンガ☆ライフ |『神のみぞ知るセカイ』とクソゲーな現実で生きていく事について

見通しのつかない現実の象徴であるちひろを桂馬は選んだわけだけど、この選択をした桂馬の強かさには感服した。
”想像を超える事態は起きない理想の世界”と”予測不可の現実”の選択に迫られて現実の世界を選べる桂馬の気持ちが俺にはわからない。理想を求めてギャルゲーをやっていたはずの桂馬が現実を選択したというのは、ちひろのことがそれだけ好きだという証明だろうけど、これは相手を渇望する恋愛をやったことのある人にしかわからない感覚ですね。
めんどくさい女の子感バリバリだったちひろとのエンディングを望んでいなかった俺のような者からするとちひろを選択する意味はわかっても感覚としては全く理解できない。理想と現実で現実を選べるほどの相手を見つけられた桂馬がうらやましく思うと同時に、その気持は今の自分では全く理解できないなと。だからこそ、桂馬の物語を見ていろいろ考えさせられたし、ほんとうに読んで良かったと思う。たぶん数十年に渡って本棚の一角を占め続ける自分には欠かせない傑作に神のみぞ知るセカイはなったのだと思う。十数年経った後にまた読みたい作品。