中古本って安いからアホほど買って本棚に入らなくて後悔するよね

 ネットで中古本が買えるようになって100冊で一万円いかないようにするのも簡単だから欲しい本をなにも考えずに買って行くと100冊くらい軽く超える。もともと、中古本を溜めてしまう質だったが、ネット通販を利用するようになってから酷くなったように感じる。ネットだと本棚のことを考えずに買っちゃってダンボールの山を前にして、これどうしようと途方に暮れる。リアル書店だと手に持つからこれ以上買っちゃダメだという自制がまだ利きやすい。

 今、10年程度前のエロ漫画を集めていて有名エロ漫画家の初期作品を読んでいるが、エロ漫画って一冊が文庫本3冊分くらいの厚さで高さも20cmくらいあるから棚の占有率が高い。文庫本だと100冊でダンボール一箱ですむところをエロ漫画だとデカイダンボール三箱くらいないと入らない。気に入ったもの以外読み捨てがベターだと思うからダンボールに入れっぱなしで、そのまま捨てることになるかもしれない。エロ漫画は一冊千円程度するが、10年前のものなら100円程度で手に入る。10年という月日でこれだけ値段が下がってしまうのも不思議に思える。まるでハードカバー本と同じだ。新しさに価値があるというのは学術的な研究分野なら理解出来るが、娯楽でも同じというのは妙な話だ。最新の作品を博打的に読んでいくより、過去の名作を読むほうが遥かに打率が高く安く済むというのに。昔のものに楽しさ覚えれば新しいだけで高い金を払うのはバカらしくなる。エロ漫画は絵柄の流行が最も端的にあらわれるもので、流行り廃りの速度が半端無く早いが、おもしろさもエロさも昔の名作は決して負けてないことがわかってきた。富野由悠季さんは売れるものは時代をつかんでいるものだ、と言っていたが、これは金になるものは新しいもの〈時代の最先端〉であるという逆説的な意味もあるのではないか。過去作ならば中古やレンタルを利用して金を使わずにおもしろいものに触れられる。そのノウハウが自分のなかで溜まって趣味に金を使わず楽しむことが出来るようになってきたが、時代には置いて行かれてしまっている感じがある。人に合わせなければならない状況さえなければそれで構わないが、現状の改善の必要も感じているので最先端と歴史に触れるバランスを意識的に上手くとっていけるようになることが課題である。