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話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選

年末恒例企画が、年始めと出遅れてしまった。

これで昨年を振り返り本年のアニメへと繋げていければと思う。

 

アイドルマスターシンデレラガールズ

23話『Glass Slippers』脚本:土屋理敬 コンテ:舛成孝二 演出:益山亮二 作監:古橋聡

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『頑張ります』『怖いよぅ』『笑うなんて…笑顔なんてだれでも出来るもん』『なにもない、私にはなにもないよ』

土屋さんのあまりにもストレートなセリフ回しにも驚かされたが、ニュージェネレーションズの距離感にも驚かされた。『また、みんなで頑張ろう』などというだれかに助けてもらう甘い展開を許さず、再度しまむーが一人で立ち上がるために行動するミオと凛。しまむーが抱えている問題を眼前に提示し、彼女が再び立ち上がるために奮起をうながす。個々が独立して仕事を獲りに行くアイドルだからこそ、立ち止まったときは一人で進めるようにならなければならないというような姿勢は高雄監督のプロ意識そのものではないか。前作の無印とデレマスが一線を画する作品となったのは底にあるアイドルとしてのプロ意識の認識の違いだ。そのプロ意識の高さこそ本作の持つ最大の魅力だった。なにもないしまむーがなにもないままに、希望も提示されず、それでもアイドルとして一人で生きていこうとするエピローグ、これが本作のテーマである。そして、エンディングは現実に生きる私たちに対してもきっちりと希望を示した見事な締めだった。なにもなくとも生きねばならぬし、なにもなくとも夢に近づくことは可能なのだ。

それと、渾身の泣きカットは林勇雄との噂。『泣きの林』

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

2話『彼と彼女の告白は誰にも届かない』脚本/菅正太郎 コンテ/及川啓 演出/嵯峨敏 総作監/貞方希久子 藤崎賢二 作監/辻上彩華 山本篤

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『あなたのそのやり方とても嫌い』『人の気持ちもっと考えてよ。なんでいろいろわかるのにそれがわからないの』

竹林の中の告白のカットの重ね方が神がかってた。カット数を費やしていい場面で贅沢にカットを重ねる。抜群のレイアウトに手の心情描写の上手さでキャラの心情を細大漏らさず伝える、これぞ演出。テレビアニメの最高峰として位置づけられる一話。

 

Fate/stay night [Unlimited Blade Works]

#25『エピローグ』脚本:ufotable 絵コンテ:三浦貴博 演出:三浦貴博 竹内將 作監:茂木貴之 田畑壽之 塩島由佳

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オールタイム・ベストクラス。あまりにも脚本構成が美し過ぎて言葉もない。背景は緑が本作が行き着いた倫敦でのつかの間の安寧の日々を演出していた。zeroの頃の公園の緑を見ていたときから思っていたが、ufotableが織りなす緑は美しい。倫敦の背景の美しさ、全カットかわいらしさ溢れる凛と二年経ってアーチャーに近づきカッコ良さが増してる士郎の気合の入ったキャラ修正、練りに練られた脚本、UBWで最も美しかった撮影、集大成としての最終話だった。『空の境界extra chours』に並ぶ完璧なエピローグ。

 

SHIROBAKO

23話『続・ちゃぶだい返し』 脚本:吉田玲子 コンテ:許琮 菅沼芙実彦 演出:倉川英揚 太田知章 作監:大東百合恵、秋山有希、川面恒介 武田牧子、容洪、朱絃沰、西畑あゆみ

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ラストの宮森の泣きは石井百合子さんの作画。泣きの石井。

すべてがこのカットのためにあり他のすべてが前座。

 

旦那が何を言っているかわからない件 2スレ目

7話『カオルと旦那』コンテ:永居慎平 演出:岩崎知子 作監:馬場竜一

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『運命って信じるか』『悪いことがあったら良いことがあるに因果関係はねえよ』『幸せになったらいつまでも幸せでいろ』

上のカットからラストのカオルとの『運命があるって思わなければ、この幸せに耐えられない』って心情台詞への繋ぎが良かった。公園の噴水を神秘のものとして作画し、それを見つめながら運命について語り合う二人。目の前のものを否定するような会話をしながら、それに見惚れる二人の関係性が味わい深い。

響けユーフォニアム

第八回『おまつりトライアングル』 脚本:花田十輝 コンテ・演出:藤田春香 作監:秋竹斉一

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『久美子ってやっぱり性格悪い』『これは愛の告白』『特別になりたい』

この回を幾度と無く見直して思ったことは、やはり肝はワンピースの青の美しさにあるということだ。ワンピースから伸びる脚、露出された肩、翻り風に靡く裾、演出のすべてがワンピースに詰まっていた。衣服に依存する演出というのはよくあるが、ここまでこだわり利用するというケースはなかなか稀有ではないだろうか。撮影のレンズのボケ味の美しさと相まって麗奈のグラビアのようなカットが際立つ。女の子の美しさを捉えるという点では三好さんのラインに属する演出家にも思えるが現時点で独自路線を開拓している。際立つだけに使いドコロが難しい演出家になりそうな印象がある。それにしてもこういう回と秋竹さんの相性は抜群だ。藤田さんとの名コンビが生まれたときでもあるかもしれない。

 

放課後のプレアデス

8話『ななこ13』脚本:浦畑達彦 コンテ:春藤佳奈 佐伯昭志 演出:玉田博 作監:橋口隼人 空賀萌香

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演出の真髄は時間経過のコントロールにある。『トップをねらえ!』と同じウラシマ効果を題材に扱ったこの回の素晴らしさは、時間経過の演出にある。すれ違う時間の中で違う時間軸を辿るものたちがなにを思いなにを感じるか。長大な時間の中で思いが交錯した一瞬で彼女たちは繋がり再び同じときを共にする。そこに詰まる思いの浮き上がらせ方が見事だった。

 

夜ノヤッターマン
第1夜 「世界は真っ暗闇」脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ・演出:吉原達矢 作画監督:後藤圭佑 櫻井拓郎 小野田貴之

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吉原監督やる話数にハズレ無し。こういう旅立ちまでのプロローグをやらせてつまらないものをつくるわけがない。予想外だったのはふでやすさんの脚本とは思えないほどに切れがあったことか。王道を王道のままにおもしろくつくれるのは演出家としての確実な力量を示すもの。そして吉原組の作画は相変わらずはっちゃけている。だからワンクールもたないのだと苦言を呈したくなってしまうのが玉に瑕。そろそろ劇場を軸に活動してもおかしくない人なので注視しておきたい。

 

ローリングガールズ

6話『電光石火』 絵コンテ:村田俊治 佐藤陽 演出:若野哲也 作監:長谷川早紀 佐藤誠総作監:北田勝彦

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オールタイムベストクラスの傑作回。クライマックスの自転車作画で見せたズラした重線で躍動感を表現する線のブラシ方が非常に上手かった。シナリオ、音楽、作画がお互いに引き出しあったとき凄まじい表現が生まれる『これがアニメだ』と叫びたくなる大傑作回。

 

Charlotte

第一話『我他人を思う』脚本:麻枝 准(Key/ビジュアルアーツ) 絵コンテ・演出:浅井義之 作画監督:中村深雪・杉光 登

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文句なしの最高の一話だった。トラックをヒロインに突っ込ませるシーンは洒落にならないので如何にギャグとして成立させるかが肝になる。そこの処理が驚くほど上手く出来ていた。出々しでどうやって掴むかというのが一話の最大の課題になるが、その回答が見事。ファーストカットのカッコ良さ、主人公のセリフ回し、行動と言動のギャップ、麻枝さん特有のチグハグしたところがマイナスに見えないように演出できっちりカバーしてる。丁寧かつ計算された仕上がりに敬服する。