GJ部 一話 感想戦

id:alphabateさんがGJ部を薦めていたから一話をチェックしてみた。

これは、いろいろグッジョブ!と言える作品なので、それについて少し書く。

アバンは京アニちっくな映像。

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靴箱の質感とか、影の付け方とか、野球少年の線の丸っこさ、背景の緑の明るさ、青の濃さとか、そういうのは見てて京アニを思い出す。ブラスバンドの少女たちとか、イラスト描かれた譜面とかモロじゃんって思わされるけど、そういう遊びはグッとくる。反射するガラスにピントを合わせるのもパロってるのかなーとか考えてしまう。ゆるゆり見てないから動画工房の作品を見るのはアザゼルさん以来なんだけど、今までもっていた印象とだいぶ変化している感

 

じがある。光の使い方のこだわりが増してる。

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あれだけリアルなカットを連続させたあとに、これなんだよなー。なんかこの校舎ゆるゆりっぽい。目立つのは緑の濃さだけで、校舎自体は平凡な感じ。この落差がかなり引っかかった。リアル嗜好で攻めてくるかと思ったら、そうでもなかったり。部室のなかも別段なんがあるわけでもなし。人から花にフォーカス変えて視線誘導をしてて、でもそれが部室の雰囲気をとらえる一助になっていたり。画面全体へ意識向ければゆるい空気が感じられるあたり、いい雰囲気出せてるなーと。

 

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 OPグッジョブ!始まりの部長が飛ぶところの髪の広がる感じが好み。あおりというか完全に下に潜り込んでネコミミ娘映してるカットが、唐突に差し込まれる異質なカットで、それが良い感じに目を引いて映像のアクセントになっていたかなと。デフォルメかわいい。まだ未登場の3人がキョロ君に迫るところ、メイドさんが4人をひとまとめにして抱きしめるのはグッときたな。この一話全体に感じたことだけど、みんな主人公に対して絶妙な距離感置いてて、それをメイドさんがまとめて抱きしめて縮めてしまう。近づこうとするけど、いまいち入り込めないハーレム型主人公に対して一気に迫れる強力なキャラ性を感じて既に登場が楽しみ。OPの終わりは写真ってのはよく使われるけど、明らかに一人分の空間が空いてる。これ、もうちょっと隠してほしいかな。OPでも正面で捉えてなくて、つかみ切れない感じがあるのに、写真で少し雰囲気壊してる感じ。歌詞の2軍のファンタジスタって言葉を使うセンスはどうだろう、結構好きかもしれない。躍動感のあるOPと勢いのある曲でいいと思う。歌のうまさを声優に求めるのはおかしいと思うし別に歌に関してはなにもない。ガチャガチャした感じの歌が、映像のガチャガチャ感を高めてた感じもして相乗効果合ったんじゃないかと思うが。 f:id:hidamalar:20130222043636p:plain

 Aパートの入りはずるい。手を伸ばしても届かないイメージとか。背伸びしてる足元あたりにフェチズムを感じる。いや、くすぐられるといったほうがいいか。お尻の近くに顔があるように見せるナメとか、あえて平面的に見えるようにしてる気がする。顔とお尻にあんまり距離を感じない。蹴られて倒れるカットは中二恋で似たような画を見た気がする。ここの倒れ方はよかった。汗を散らすのも制服が舞ってるのもグッとくる。

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 この耳が気になる。どういう耳なのかと。でもこの赤くさせかたはかなり好み。主張が見えてグッド

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  目に映り込むチェス盤。身体のアップのさせ方が気になる。あおり気味にとらえたしおん先輩とキョロくんがアクセントになってる。斜めになっているのが、とらえどころのないしおん先輩をあらわすようなカットになってる。不安定な感じ。自己紹介はしないけど、しおん先輩のパーソナリティが一発でつかめるようになっててグッジョブ!

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 つかみどころのない先輩がカップラーメンをそのまま食おうとするわけだけど、ここのスロー演出はなんだろう。なんか効果があるようにも思えないし、単調な映像にしないための調整だろうか。ここの作画が無駄に良くて苦笑い。こういうのどういう気持ちで描くんだろうか。

 

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 腰つきがエロい。こういう凹凸のある感じというか、女性としての肉感を得ている感じは姉妹での差別化だろうか。裏の顔がないのかあるのかで遊ばせる。見ている側を試している感じ。それを煽ってくる演出をしてて、ただの部活アニメとして見せるだけじゃ不満なのかなとか思ったり。

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やっぱ目を鏡にさせてる。同じレイアウトを多用してきてて、差異を強調するような演出が目立つ。めぐみちゃんの口元を映すとこもそうだし、キョロちゃんの頭から湯気を出すのもそう。カメラ構えてるめぐみちゃんにだれもツッコむことがない。この空間の特殊性もしくは、この仲間内で共通に認識してるなにかがあってスルーしてるんだろう。それをまだ知らない俺たちは、知れることがいっぱいあってそれを知ることが楽しみに思える何気ない一幕だった。あと、めぐみちゃんの口元は一瞬しか映されないのだけど、それが大人っぽくもありかわいくもあり美しくもある。めぐみちゃんの女性性を引き立てるいいカットだった。

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きららが特別感出されててグッとくる。「きららはひとつ」のとこで指にパッとよったり、ネコミミがピコピコしたりと、この子だけのカット特別なカットが使われてる。急にカットが割られていたらり、この子が出たときは急の映像が目立つ。でも、それがこの子のパーソナリティを映し出してるようにも思えていい。肉を食べるときにもあまりカメラはよらずに、大体の場面で引きでとらえてることが多い。それは部活にあまり関わらない彼女を表現してるようにも感じる。一話で判断するにはあまりにも早計すぎるか。

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あおる、俯瞰は彼女の特別なレイアウト。掴みどころのない人だから、こういう構図が似合う。同時に理智的なので決まってる。グッジョブ

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キョロくんのあだな決めるところで、女性陣がお互いを牽制しあってる感じがグッド。あおりで3人をとらえたり、4分割の画を使ったり。優位は部長にあるんだろうけど、今のところ突出した感じはない。部長は顔を赤らめた表現や、頬をふくらませた表現を使ってて、それが彼女の武器になるのかなと。ちなみに恵ちゃんは常に笑顔なことと、ふっ口元によせるカットだと思う。上品にお淑やかにってことを意識させてるように感じる。4人ごとに持ってる武器が違って、その多様性がこの作品の魅力になるのかな。視聴者も明確に派閥が分かれそうだけど、それ含めてこの作品は楽しめばいいかなーと。

脚本:子安秀明

絵コンテ・演出:藤原佳幸

作画監督:久保茉莉子

各キャラの紹介よりも作品の雰囲気を見せたのかな。あからさまな自己紹介もなくすんなりと作品に入っていったけど、その構えなさは作品の雰囲気に馴染む。名前がなくても成立する子たちだから、名前は徐々に浸透させればいいよねと。だいぶ長回ししてるところもあったけど、全体的に緩急のついた良い映像になっていた感じ。4人ヒロイン差別化のための演出もあるはずで、それは最後まで分けてほしい。各キャラの優位性を活かして物語を展開していってくれれば満足。かわいさ命の面もあるので、作画が低調になったら終わりかな。俺は多少のことでは離れられないと思うけど、出来るだけファンは落として欲しくない。個人的に不安は作画よりもコンテ・演出陣かな。ゆっくり見ながらゆっくり楽しみましょうか。一気に見て楽しむ作品じゃないだろうし。