ハローレディ 体験版

リエーターのプロとアマの敷居が曖昧になり、情報発信の手段が多様化する現代では娯楽世界はまさに玉石混淆。だからこそ、自分の目や自分の信頼する目利きが発掘した波長の合うクリエーターの価値は宝石に等しい

 暁worksの最強トリオ、日野亘&衆堂ジョオ&さえき北都プレゼンツ第三作。『るいは智を呼ぶ』で大成功を収め、前作『&』を手がけるも『るい智』のヒットは生み出せず勝負の三本目。暁worksの命運が決まる大事な作品になるのは間違いなく、暁worksもそのことを理解していると言わんばかりの気合の入れよう。前作の『&』は企画・原案を衆堂ジョオが手掛けたが、再起を期す今作は再び企画・原案に日野亘を据えてきた。さらに関わる作品すべてのクオリティが高いエロゲ界屈指の名プロデューサー兼ディレクター憲yukiがプロデューサー・ディレクターとして中心にいる。


ハロー・レディ! OP - YouTube

 

今度の暁worksは本気だ。

体験版からもその本気ぶりは伺える。実は前作の『るいは智を呼ぶ』は肌に合わなくて体験版の途中でやめるほどだったのだが、今作は出だしからグイグイ引き込まれる。物語の始まりはバトルからというオーソドックスな入りを選んでいるが、それだけに安心して始められる。出だしで惹きつけておいて、じっくりゆっくり世界観に馴染んでもらえるような配慮が感じられた。日野亘さんのテキストは良くも悪くも表現が硬いので、読んでいて疲れるところがあるのだが、それを出だしで拒絶させないための入りになっていて『るいは智を呼ぶ』のときと同じ失敗を繰り返さずに済んだ。

今作の主人公はいわゆる変態主人公だが、自らの信念に基いて行動してその結果として変態と呼ばれるタイプなので波長が合う人は非常に好感を持つ主人公になっているだろう。私はモロに波長が合ったのですでに主人公が好きでたまらない。この主人公の独特な世界の捉え方は新鮮な人にはかなり新鮮なはずだ。森崎亮人さんが好きな人は絶対に合う。

始めに書いたのは本作の引用だ。日野亘さんという波長の合うクリエーターを見つけてしまった以上、フォローするのはファンとして当たり前のことで、それを増やしたいと思ったので紹介させてもらった。興味を持った人は是非体験版をプレイしてもらいたい。

体験版ページ

体験版にもパッチが出ているので注意

ちなみにNO.1ヒロイン兜山美鳥は攻略不可である可能性が高い。体験版が終わり購入を決意し店舗特典をチェックしてる際「あれ、美鳥がいない?あれ?あれあれ??人気無いの?そんなば…あああああああああジャケットに美鳥のってねええええええええええ」とリアルにorzとなってしまった。美鳥は攻略できないものと思ってプレイするのも大変に物悲しいものがあるが、それを除いても大変におもしろい作品になっているという期待が上回るのが今作の凄いところ。攻略よりも物語を優先しているのも個人的にはポイント高い。今月末は『大図書館の羊飼い』もあり大変に楽しみな月末だ。まあ4月以降はロクな作品がでないというのがここ数年のパターンだ。最後の祭と思って存分に楽しませてもらおう。