2014-05-04から1日間の記事一覧

『月に吠えらんねえ』清家雪子

盲目の秋 風が立ち、浪が騒ぎ、 無限の前に腕を振る。 その間(かん)、小さな紅(くれなゐ)の花が見えはするが、 それもやがては潰れてしまふ。 風が立ち、浪が騒ぎ、 無限のまへに腕を振る。 もう永遠に帰らないことを思つて 酷白(こくはく)な嘆息する…