愛せるアイドル『ラブライブ!』

これ読んだ。

今朝はラブライブ!のことを考えながら朝の散歩をしようと思ってたのだけど、その前に頭を整理するためにもちょっと書いてみよう。

俺はアイドルがあまり好きじゃない。

アイドルってのはアニメでもよく題材として使われる。最近人気になったのはアイドルマスターって作品で元々ソシャゲ?かなんかでファンが多かった作品らしい。

これの一話を見たんだけど、プロデューサーさんのハーレムに見えてしまって見るのをやめてしまった。元々、ハーレムは好きなんだけど、それにアイドルって要素が加わってしまうとどうにもきついらしい。

俺にとってのアイドルの原点はおそらく『きらりんレボリューション』にある。中学生くらいのときだったと思うんだけど、あれを毎週欠かさずみてたような気がする。あのアニメは天性の明るさと人当たりの良さを武器にアイドル業界をのし上がっていく主人公のサクセスストーリーだったかな。アイドル活動(略してアイカツ)をスケープゴートにしたトップアイドルの男の子二人との愛憎に塗れた三角関係が見どころのアニメだった(ような気がする)。

男との恋愛はともかく、アイドル活動(略してAIKATSU)のほうはかなり好きだった。主人公は歌や踊りの才能があるわけじゃないんだけど、人間性を武器に人を惹きつけてのし上がっていった。主人公もダンスや歌をうまくなろうとするんだけど、それ以上に人を惹きつける力が強くて実力以上にのし上がるスピードが早い。

これのおもしろいところは、その実力に見合わない舞台に合うように努力をしていく過程。この女の子はいつも努力する。たまに恋愛にうつつを抜かしていたはマイナスだけど、基本的に努力で解決しようとする女の子。それでいて、自分の力不足を嘆かない。そんなことは自覚してて、落ち込む暇があったら自分の能力を伸ばしてる。そして他人に弱さを見せない。それが地の性格だからとにかく明るい性格に見えた。少女漫画的な弱さも持ってたと思うけど、そのあたりあんま覚えてない。俺の記憶にあるのはとにかくがんばる女の子ってところだけ。

そんでラブライブ!はこれ。みんなめんどくさそうな内心抱えてんだけど、活力の永久機関のほのかが全員を引っ張ってネガティブをポジティブで埋めつくす。最初ネガティブで始まってんだけど、各話の終わりにはほのかが焦土作戦を完了させてるからポジティブな印象で終わる。しかもその明るさに底がない。始まりの頃は深淵をのぞいていたと思っていたんだけど、中盤から深淵の中に太陽ができ始めての終盤には眩しさに目を焼かれるって感じ。

この女の子たちが現代っ子てのもズルい。海未ちゃんや絵里ちゃんが練習をしようと提案すると文句言う。これでほんとうに練習に対して文句言い始めたらクズい現代っ子なんだけど、この子たちはポーズとしてそれを言ってるだけ。絵里先輩の練習メニューに異議を唱えたり合理性を追求した練習メニューの提案などのシーンがないあたりに昭和テイストを感じる。

どうでもいいけど、ラブライブ!の根っこは根性論で出来てる。廃校の話が出てきたときほのかがとりあえず感情論で反発、海未が現代っ子らしく理屈で説得を試みるも頑固一徹ほのかの力押しで海未ちゃんの根負け。感情だけで動くほのからしく計画など一切無くプランニングは人任せ。その代わりプランが決まったら、とにかくその方向に向かって努力する。しかも統率力が異常に高く、リーダーシップを発揮して一丸となって目標をクリアする。その与えられた課題をクリアしていく過程がスッキリ爽快でおもしろい。理屈をこねくり回して緻密な物語を紡いでいる作品が増えている中で、朝アニメのような単純さで話をつくり上げている。今のアニメに古典の良さを取り入れているような作品で、そのサクセスストーリーぶりがおもしろい。

綿密なマネジメントによってミューズがのし上がっていくのではなく、ご都合主義的に思われかねない成功劇。それを支える屋台骨はみんなの努力。

話が遠回りしてしまったが、アイドルアニメの好きなところはこれだ。とにかくがんばる女の子たちが愛しくて仕方ない。

AKBとかももクロとかアイドルは別に好きじゃなかったんだけど、ラブライブ!をみて一つ確信したことがある。俺はアイドルを知ったらハマる。今までアイドルはなんとなく避けてきたんだけど、それは自分の中で知ってしまったらハマるからってのがあったんだろう。がんばる人たちに対する好意は自分の中にどうしようもなくあって、アイドルってのはがんばる女の子たちの集団だ。

それを自分たちが支えているという意識を与えられたらもうダメ。アニメはともかく現実でそうなってしまえば、俺はもう諸手を上げて応援してしまう。アニメでそれをやりきっているのがミューズだろう。俺がアイドルマスターにはまらなかった理由がここにある。あれは支援者としてのプロデューサーさんが近すぎるところにあって、あの人が努力する彼女たちの拠り所になってしまって、その成果をすべて持っていってしまう。

努力する彼女たちを支える役目であるはずのプロデューサーさんがハーレムを構築してしまって、彼女たちの努力が薄くなってしまう。男が入り込んでしまうことで純粋な彼女たちのサクセスストーリーではなく、女としてのアイドルが見えてきてしまう。それは俺にとって不純物でしかない。成功も失敗もすべて彼女たちだけのものであってほしいのだ。

ラブライブ!はその点で完璧。異常なまでに男が排除されてて、それがアイドルの純度を高めている。

濃縮アイドル100%ラブライブ!それが俺が好きなラブライブ!