GJ部のOPテーマ『もうそう★こうかんにっき』が提示したほんとうの問題
TVアニメ「GJ部」オープニングテーマ もうそう★こうかんにっき(A-TYPE) CD+DVD
- アーティスト: 乙女新党
- 出版社/メーカー: ふわふわれこーど
- 発売日: 2013/02/20
- メディア: CD
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- クラス内ヒエラルキー
そう誰が決めたわけでもなくいつの間にか作り上げられる1軍2軍3軍
全てにおいて中の下から中の上 妄想社会で毎日ワーキャー
1軍になりたいわけでもないそんな私たちは 2軍のファンタジスタであーる
私は『二軍のファンタジスタであーる』の歌詞が好きです。おそらく『GJ部』好きの半分以上はこのワードセンスにやられたのではないかと想像しています。なぜなら『GJ部』がこの歌詞に書かれた者達たちの話だからです。とはいえ『GJ部』では外部をおそらく意図的に映さないためにヒロインたちがヒエラルキーのどの位置に属しているのかわかりません。ですが、部長たちの性格を鑑みれば中心にいないことは想像出来ます。
部長は子どもっぽい。詩音さんは人を寄せ付けない雰囲気に加えて常識の欠如ゆえに人を遠ざけると考えられる。キララはコミュニケーションを自分で積極的にとっていく子ではなく、恵ちゃんは性格が良すぎます。彼女たちはクラスの中心にはおそらくいません。でも、クラスの中で一目を置かれる存在には間違いなくあります。その在り方がまさに『二軍のファンタジスタ』なのです。
なのに
なのに、あろうことか、乙女新党は歌詞が変わっていたんです。
- 二軍の14歳であーる
なぜ変わったのか、これは容易く想像出来ます。
この曲がつくられたときは『二軍の14歳であーる』だったのでしょう。これが製作途中で監督か音響監督かプロデューサーかだれかはわからないけど『二軍の14歳よりもファンタジスタのほうがよくないですか?』というような提案があって、変えたんでしょう。もし想像通りに変えたとしたら英断です。現場の柔軟な判断です。まさにGJ!でも、変えたのならば曲の歌詞もきっちり変えて欲しかった。
私が借りたのは『GJ部のOP』であって『乙女新党』のシングルではなかった。両者は同一なものなので不可分なものです。だとしたら『GJ部』に準拠して欲しかった。もしくは、GJ部OPver.も入れておくか。
『乙女新党』の『もうそうこうかんにっき』としては『14歳であーる』のほうが収まりがいいです。歌詞の意味としてそちらのほうが通ります。ですが、そうなってしまっては『GJ部のOP』ではありません。『二軍のファンタジスタ』がヒロインたちなのであって、14歳ではだれでもありません。
14歳を過ぎた者達、もしくは現役で14歳の子たちを意味するものでヒロインたちとの関係性は非常に薄くなります。
それよりなにより『二軍のファンタジスタであーる』で聴き慣れてしまった耳が求めるのはこの語感です。私はあの語感の良さに惹かれて借りたんですが、それが収録されてなかった。歌詞を少し変えただけと思われるかもしれませんが、そのフレーズに大きな意味があった場合、曲のよさの多くが霧散してしまうことがあるということを理解してほしいところです。いえ、こんなことをわかってない作曲家・作詞家はいないはずです。
この問題の核心はテーマソング(オープニング・エンディング・挿入歌)はだれのものかです。
アニメのものなのか、アーティストのものなのか、プロダクションのものなのか。
この曲は明確にその問を投げてくれました。
実は同様の問題はアニメソングではたまに起きることです。ここが曖昧になっている限り、私と同じような目に遭う人は後を絶たないでしょう。また同じようなことに遭わないように祈ることしか出来ないのが残念です。
TVアニメ「GJ部」キャラクター・ソング & サウンドトラック集 前編 グッジョぶの音楽“G"
- アーティスト: 内田真礼,宮本侑芽,三森すずこ,荒川ちか,百石元
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2013/03/06
- メディア: CD
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